公務員を辞めておよそ2年が経過しました。
「辞めたらきっと後悔する」と当時の上司などに言われたりしましたが、今のところ全く後悔はしていません。
今になって退職を決意した当時の頭の中を振り返ってみると、
人は、自給自足ができない限りは、働いて給料をもらってそのお金で生活するということで「生きるために働く」というのが本来の姿なのに、その当時の自分は、平日は残業で夜遅く帰宅、休日も何もやる気は起きず、それどころか仕事のことが気になり、仕事から逃れられないということで、まさに「働くために生きている」という本末転倒な状況に陥ってしまっている――。これはダメだ。
こんなようなことを考えていたと記憶しています。
良いか悪いかわかりませんが、20年間ほとんど仕事しかしておらず、お金をあまり使わない生活をしていたので、無意識のうちに貯金だけは溜まっていたのですが、その代わり20年間という時間を失っていたという感じです。
そんなことを考えていた頃に、以前ブログに書かせていただいた「逃げ切り計算機」により、現在と同じ生活レベル(年間支出が同じぐらい)での生活を送っていった場合、仮に無収入でも貯金の切り崩しと年金で106歳まで生きられそうな結果がでたので、公務員を辞めることを決意したのです。
当然ながら40代で仕事を辞めた場合、新たに正社員としてどこかに就職するのは厳しいことやアルバイトなども雇ってもらえない可能性が高いことは想定しており、今後の収入がほとんど見込めないことは覚悟のうえでした。
実際のところ、現在では収入はほぼ無くなってしまったものの、精神的にはかなり楽になり退職したことは全く後悔していません。
ただ、当時全く想定していなかった事態が発生してしまいました。
それは最近のインフレです。
当時の日本は長期にわたるデフレが続いていたので、この先もインフレが起こることはまずないだろうと勝手に思い込んでいました。
「逃げ切り計算機」でもインフレ率を入力する項目があったのですが、特に考えることもなく「0%」と入力していたのです。
このインフレは大誤算でした。
仮に、4%インフレになるとすれば、その分だけ日本円で持っている資産価値が下がってしまうことになります。そして、強烈なインフレが長期間続いていくのであれば、想定よりもかなり早い段階で私の資産は枯渇します。
また、そもそも2%程度のインフレの継続は日本経済の成長にとって良いとのことで目標とされていますが、仮にそうなると私の資産の価値はボディーブローのように削られていき、大きなダメージを受けることになるということについては、あらかじめよく考えておくべきだったと思っています。
日々の生活における節約にも限度があるので、何か別のインフレ対策を考えなければならないと思う今日この頃です。